地主と聞くと一人のようなイメージが湧くかもしれません。ですが、共有名義で登記、相続されている場合は、複数人であるケースも充分考えられます。そうしたケースでは、借地権売却の話しがなかなかまとまりにくいです。
地主が複数人いて売却できない展開って?
契約上共有されているのであれば、土地の権利は基本的に、複数人それぞれが保有しています。それぞれに取り扱いを希望できるため、一人でも意見が揃わなければ、借地人の意志は反映されにくいです。ましてや、複数人それぞれが承諾、更新、更地返還、値上げなど別意見を表明しているようであれば、混乱を極めます。借地権を売却したいというあなたの希望が受け入れられるどころか、まともに話し合いを進めることすら難しいかもしれません。こうした状況に、打開策はあるのでしょうか。
話し合いの場を公的に設ける
交渉すら進まないのであれば、問題解決はかなり難しいです。ですがそのような場合のために設置されている、「借地非訟裁判」という専用の申し立てをおこなうことが可能です。裁判といえば少し響きが険悪かもしれませんが、これに関しては話し合いをスムーズに進めることが目的であるため、そこまで気構える必要はありません。
公的な話し合いの場であれば、集うことを渋っていた共有地主たちも、断る訳にはいきません。またこの裁判は、複数回の審問期日に分けて長期間話し合って進めていくものです。お互い冷静に話が進められるので、双方納得できる結論に至りやすいです。