成年後見制度

投稿者: | 2017年10月10日

成年後見制度とは

土地や家などといった不動産は、本人の意思確認がなければ売却、賃貸、建物の解体などといった法律行為ができません。
しかしながら不動産を持っていた高齢の親が認知症になるなど、判断能力が著しく低下している場合も考えられます。
このようなときに活用できる制度として、成年後見制度があります。

成年後見制度とは、判断力の低下した人の財産や看護などを行うために設けられた後見人の制度です。
判断力が十分ではない成年者が、後見人を制定し当事者の意志をできるだけ尊重したうえでその権利を保護することになります。
法定後見制度と任意後見制度に分かれており、法定後見制度は、軽度から重度まで三段階に分かれています。

後見人になれる人とその範囲

後見人になれる人は、親族だけでなく司法書士や弁護士、社会福祉士及び法人であり、家庭裁判所に申し立てをすることから始まります。
裁判所から依頼された医師が本人の意思能力を鑑定したうえで後見人を選任します。
すべてを依頼するのではなく、後見、補佐、補助に分かれており、ほとんど自分で判断できない人は重度と分類され、後見類型になります。
日常の買い物などが一人でできない人が後見類型に分類され、成年後見人がすべてを行います。

一方、今元気な人で認知症でもない人が、公証人役場にて任意後見契約を結ぶ制度を任意後見制度と言い、特定の行為だけをとり行います。
これは、自己判断能力が不十分になった場合の財産管理なども含みます。

後見人が不動産を管理する場合

審理期間はだいたい4か月であり、申し立て手数料や登記手数料が必要になります。
本人が裁判所に申し立てることでも行えますが、専門家である弁護士や司法書士に依頼することが一般的です。
成年後見人は財産の管理や生活、医療介護に関する契約を被成年後見人に代わって行います。その財産管理の中に、新築や増築、不動産の売却なども含まれます。
ただし、被成年後見人の住んでいる家の売却などは、裁判所の許可がないと行えません。

自分が不動産を持っていて将来的にその管理が心配な人や、親が認知症などで持っている不動産の管理が適切にできないという問題を抱える人は、成年後見制度を利用するのも一つの方法です。
本来、本人名義の不動産は本人の意思確認や実印の押印がなければ、法律行為を実行に移すことができません。そ
のため、あらかじめ生前贈与などにおいて、自分の不動産の使い道を自分で考えることや、成年後見制度をはじめとした法律などについて知っておくとよいでしょう。