建築基準法の道路の種類

投稿者: | 2017年7月15日

道路の種類にはどんなものがある?

一口に道路と言っても、建築基準法ではいろいろな種類に分かれています。建築基準法において道路という単語が出てくる場合、建築基準法42条の道路に規定されたものを指します。
道路という言葉とともにその区分も厳密に規定されているものです。

まず1号道路は、国道や県道、市道など、道路法に定められている道路を示します。
道路の原則は幅員が4メートル以上のものを言い、調査といえば4メートルを超えるかどうかはとても重要です。1号道路はいわゆる公道というものであり、ほとんどの道路は市町村道として認定されていますので、道路といえば1号道路をイメージするほどポピュラーなものです。

一方で2号道路とは、開発許可などで築造された道路を示します。都市計画法や土地区画整理法で新しく作られた道路になります。
そのため、開発の過程で作られる道路が多いということから、開発道路とも呼ばれています。
開発道路はずっとそのままというわけでなく、一定の期間がたったら道路管理者である地方公共団体に引き継がれて1号道路となることが多いです。

次に、3号道路と呼ばれる既存道路というものがあります。
既存道路とは、建築基準法の適用および都市計画区域に指定される前から存在していた4メートル以上の道をいいます。
これは、古くからあるものばかりですので、道路との境界線がはっきりしないものが大半です。そして、公道は1号道路であることが多いため、3号道路は古くからの私道が多いです。

4号道路と呼ばれる計画道路は、これからの事業執行が予定されており特定行政庁が認めた道路です。
道路幅員が4メートル以上であって2年以内に事業の執行が予定されていること、特定行政庁が指定していることなどといった要件があります。

5号道路は位置指定道路と呼ばれています。位置指定道路は、道路位置指定による道路です。
たとえば道路が変更されたり新設されたりするときに、道路としての形態が整わず道路法の道路に該当しないものの、位置指定道路として指定されているとむやみやたらに変更や廃止はできません。
イメージとしては数区画で行き止まりになる分譲住宅地の道路です。

このように、私たちが知っている国道や県道、市道以外にもたくさんの道路があります。
ほかにも、2項道路、すなわち、みなし道路は建築基準法の適用および都市計画区域に指定される前から存在していた4メートル未満の道です。
2項道路から以下6項道路までは道の幅が4メートル以下なので道路とは言えないかもしれませんが、例外的に道路だという解釈に該当するものです。

3項道路は土地の状況により4メートル未満で特定行政庁に指定された道であり、とても珍しい道路です。京都の祇園など特定の地域以外ではほとんどお目にかかることはないでしょう。

4項道路は6メートル区域内の特定行政庁が認めた道です。5項道路は6メートル区域指定時に存在していた道で幅員4メートル未満の道で、6項道路とは、幅員1.8メートル未満の道です。
このくらいになると、かなり小さな道まで道路といわないまでも規定されていることがわかります。

道路との兼ね合いが重要

住宅を建築するにあたって、最も問題になるのが道路との兼ね合いです。建築基準法の第43条1項には、「建築物の敷地は幅員4メートル以上の道路に2メートル以上接しなければならない」という決まりがあります。
これを、接道義務と言い、住宅を建てようと思っている人の中では大変有名な言葉です。接道義務としてのポイントは「敷地が2メートル以上道路に接しているか」「敷地が接している道路は、建築基準法で定められた道路なのか」ということです。
自分で土地を取得して建築物を建てようというときはもちろん、たとえば借地権を持っている土地を二つに分けて建物をそれぞれに建築しようとした場合、どちらかの土地がその接道義務を果たしていないと、建てられないということになるからです。
接道義務は、土地を分けて相続する場合などいろいろな場合で出てくる考え方となります。接道義務は都市計画区域または準都市計画区域内の建築物の築造にかかる規定です。そのため、都市計画区域外ではその接道義務について考える必要はありません。

新しい土地を取得するとき

建築基準法では、道路としてかなり小さな道まで規定されています。ですので、道路という言葉が出てい来ると、建築基準法42条に定められている各種道路を示すと解釈してよいでしょう。

実は、新しい土地の調査漏れで一番多いのは道路の調査です。単に道路と言っても建築基準法では大変複雑ですし、不動産を取り扱っている人の中にもあいまいなままで仕事をしている人も少なくありません。

もし、接道義務を果たしていない土地に現在建物が建っていたとしたら、今後の再建築は不可能となりその土地の価値も大きく下がってしまいます。
そのため、不動産を持っている人や今後建築物を建てようとしている人は、自分の持つ不動産が接道義務を果たしているかを確かめておきましょう。